WSL MARGARET PRO vol.2

Surfing

5/3 2日間のレイデイを経てコンテストON!
Round of 32
Kanoa Igarashi vs Matthew McGillivray


試合巧者Kanoaがいつもの様に安心感のあるヒート運びで終始リードを奪っていました。
7.00と6.17をスコアしていて、相手のMatthewに必用なポイントは8.90ポイント。

残り7分くらいだったか?

ポイントを伸ばせないでいたMatthewがセットを掴み7.60ポイントを出します。
ここまでは全然ある流れで、ここから逆転ができるかと言ったらそんなに多くはないと思います。
このタイトな時間の中でが逆転劇を魅せる事ができたらそれは素晴らしい作品となる。
うねりがしっかりしているマーガレット・リバーでは、うねりとうねりの感覚も大きく波の数がバカバカ来る訳でもない。
プライオリティーがあるKanoaの方がアドバンテージはある。Kanoaは波を引き寄せる力を持っているし、相手に逆転をさせる想像をさせない方が強い。

Matthewは7.60をスコアした後ジェットスキーに乗ってすぐに沖に戻ります。
この時点でMatthewが逆転に必用なポイントは5.57ポイント。
ジェットから降りてカノアのいるピークに戻ると同時に波が入ってきました。
KanoaとMatthewは隣同士にいて、Kanoaはいつでもその波に乗れる状況だったけど
その波がほぼクローズアウト(ダンパー)に等しい波となると見込んだと思われるKanoaは、Matthewが漕いだ波を見送りました。
波はでかく強烈であり、尚更クローズアウトになると予想されるうねり。仮にワンターン入ったとしても成功する確率は相当低いと判断したのだと予測されます。
Matthewはその波に乗るとボトムからすぐ落ちてくる強烈なリップに向かって上がって行き
なんと凄まじいタッチダウンを成功させてしまったのです。
正直私は映像を観ながら『それは厳しいだろ』と思ったので成功した時はビックリしました笑

クリック→Matthewの強烈タッチダウン

このサイズのリップにヒットして立つというのはもの凄い。
体幹が強いのは当たり前だけど、これは気持ちの強さでしかない。
技術ではなく気持ち。

Matthewが言うには『コナー・コフィンがワンターンで5点出したから行くしかねぇー』と思ったらしいです。
なんせ彼はこのイベントでツアーにいれるか落ちるかの瀬戸際なので、ここで負けたらまたQS(クオリファイシリーズと言ってワールドツアーに参戦する為の予選ツアー)選手に戻らないといけない。

タッチダウンで降りてくる際の最後のインパクトゾーンのスープの前に出れたことが成功できたキーポイントですよ。

ボードが波と一緒に前に出ると言うより、感覚的に言うと波の一つ先を走れる感。

そして、彼がなんのボードを乗っていたのかと言いますと
なんとなんと、Glenn Pang。
ハワイアンシェーパーですよ。そして、なんとなんと海から上がってきたKanoaさんもGlenn Pang。そして続けて次のヒート見たらConner O’leary もGlenn Pang。

これは前回の記事と繋がってきます。

Jack Robinsonの『ハワイのシェーパーはハワイの波でのボードを作るマスター』という言葉。
WSLトップ選手達も今回の様にハワイ企画の波になると、ハワイのシェープのサーフボードを選ぶ選手が多いですね。

因みに、私もこれまでハワイシェーパーのボードにたくさん乗ってきました。
Wes Ooshiro, Wade Tokoro (いわゆるTokoro),Erick Arakawa そしてGlenn Pang.
ハワイシェーパーのサーフボードはとても素晴らしいのを実体験から知っております。
そして、チャネルアイランズのモデル”タコグラインダー”がそれらに匹敵する素晴らしいウェポンであることをお伝えしたいです。
Tom Curren, Kelly Slater, Rob Machado, Dane Reynolds, ちょっと前では、Jordy, Adoriano, Kanoa Igarashi。
彼らのハワイでの功績が、タコグラインダーの素晴らしさを象徴してくれています。
波の一つ前に出てくれるそのモデルは、ハワイで何の不安要素も生まないのです。

今となってはチャネルアイランズの特攻隊長、Joao Chiancaの本日の1本をご覧ください。

クリック→Joao Chianca 7.77ライド

最後のレイバック、フィンアウトしてテールが滑ってもブレないバランスに付け加え、スープに押し出されるより一つ前に出てくれるサーフボード。
1本足りずで敗北はしたものの、素晴らしいレイバックを魅せてくれました。

後、凄かったのがJody Smith

クリック→Jordy 9.00ライド

波やっばいでかくないですか!?笑

Jordyの横ででっかいチューブ巻いちゃってます。

その超パワフルなセクションを抜けてからのレイバックカーブ。
この波の力でここまでサーフボード振ることができるのは凄い!!
Jordyの体格を持ってできるクオリティーでもあったように思います。

てな感じで、今後のツアーに生き残ったメンツがこちら。

ツアーカットされてしまった選手がこちら。

後は、今日Kanoaを負かしたマシューの成績によってOwenか Matthew のどちらかが残りの一枠を掴むようです。

波がでかすぎて、日本にいる我々にはあまり共感ができませんが
引き続きトップ戦線のバトルを観て勉強して行きます。

皆さん、良いゴールデンウィークを!

田中英義